リユースとは具体的にどんな取り組み?事例からメリット、デメリットを解説

リユースとは生活のこと

リユースショップで10年以上働いていたライターです。

さる
さる

実はこの仕事が初接客でドキドキ…

着用しない洋服や買い替えの家電などの不用品を売るときに、「リユース」という言葉を目にすることも少なくないと思います。

あね
あね

リユースショップ・リユース家電…
ブログや買取業者でよく見るわね。

  • そもそもリユースってどんな意味?
  • 具体的にはどんな取り組みがあるの?
  • メリット・デメリットは?

上記のような疑問をもつ方に向けて、今回の記事ではリユースの概念、取り組み事例、良い点・悪い点について詳しく解説。

リユースは社会貢献にもつながる活動です。ぜひ正しく理解して、普段の生活にも役立てていきましょう。

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リユースとは?

リユース(Reuse)とは「一度使ったものをごみにせず、何度も使うこと」で、3Rまたは5Rの取り組みのひとつです。

3R(スリーアール)は「リデュース・リユース・リサイクル」の総称で、5R(ファイブアール)ではさらに「リペア・リフューズ」が加わります。

普段の生活などでよく見るリユースをまとめてみました。

  • リユースショップ
  • リユース品
  • リユース家電・家具・古着
  • リユース事業
  • リユースボックス
  • リユースセンター
  • リユースハイム、など
あね
あね

意外とたくさん使われているのね。

リユースショップ

リユースショップとは、店舗やインターネットを使って消費者から不用品を買取し、あらたに中古品として販売するお店です。日本には多くのリユースショップが存在します。

「しゃりうす」でも買取レビューしている、

  • セカンドストリート
  • ブックオフ
  • トレジャーファクトリー
  • オフハウス
  • 買取王国

もリユースショップですね。
また、家具・家電・古着・雑貨など、いろんなモノを売るお店を総合リユースショップ(総合リサイクルショップ)と呼ぶこともあります。

リユース品

リユース品とは「一度でも使用した状態の品が販売・譲渡された状態」を指します。リユースショップに売られているものはもちろん、たとえばフリマアプリで販売中の商品(新品は除外)、他人から譲り受けた使用済みもの、おさがりもリユース品です。

リユース家電・家具・洋服

リユース家電・家具とは「使用済みの家電・家具」のことです。
生活に欠かせない家電・家具はリユース品の需要も高いことから、多くのリユースショップが率先して取り扱います。

一方で洋服については、家具、家電とは反対に廃棄される量のほうが問題視されています。最近では、コロナ禍の影響で閉店したショップの服がリユースショップに並ぶことも多いでしょう。

さる
さる

中古の洋服は”リユース服”とは言わず「古着」と呼びます。

リユース事業

リユース事業とは、無駄なゴミの削減などの環境問題に関する「企業の取り組み」のことです。

リユース事業は、モノを買い取って売るだけで終わりではありません。
たとえば愛知県で多くの店舗を運営する買取王国には「モノドネ」という事業があります。モノドネとは、みなさんの家庭で出る不用品を査定してもらい、買取金額をそのまま寄付団体へ支援できるサービスです。
>>買取王国のモノドネを詳しくみる

また「本を売るなら」でおなじみのブックオフでは、スーダンの教育支援となる寄付サービスを提供します。

さる
さる

対象品は本だけでなく、洋服、時計、おもちゃ、バッグ、CDなど幅広いです。

無駄なゴミを減らすと同時に、日本もしく国外で生活に苦しむ困窮者を支えられます。

リユースボックス(リサイクルボックス)

街のいたるところでリユース・リサイクルボックスを見かけるようになりましたね。新聞紙、ダンボール、雑誌などの回収ボックス設置が増加するなかで、昨今とくに目立つのが洋服(古着)でしょうか。

リユース・リサイクルボックスで、溢れかえった洋服の現状を目の当たりにされた方もいるのではないでしょうか。2020年に発生した新型コロナウイルスの影響から、古着の海外輸出が追いつかない問題も抱えているんですね。

さる
さる

引き取り可能なリユースショップでも、古着だけは対象外のケースが多いですね。

リユースの取り組み

リユースの基本を理解したところで、具体的な取り組みを見ていきます。

フリマアプリの普及により、個人売買が増加

メルカリ、ラクマ(旧フリル)、PayPayペイペイフリマなどのフリマアプリの普及は、個人売買が大きく増加するきっかけとなりました。

中でもメルカリは2021年の月間利用者数が2,000万人を超えています。

さる
さる

日本人口が約1.2億人。
6人に1人は使っている計算ですね。

実際、リユースの市場規模もメルカリ利用開始の2013年から「約1兆円」増加しています。
また規模の増加だけでなく「人とモノの繋がり」が身近に体験できるようになったのは、今後、持続可能な社会をつくる上で大きな柱となってくれそうです。

リユースショップによる販売・買取の多方面化

リユースショップといえば、店舗に持ち込んでの買取・来店して購入が一般的なイメージでしたよね。
しかし店舗だけは限界が見えはじめ、宅配買取(web買取)、出張買取、LINE査定、オンラインストアなど、サービスの多方面化が進んでいきました。

またECサイトの「楽天」「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」なども買取や中古品販売を開始して、リユース市場を盛り上げてきました。

大手企業がリユース品の販売スタート

大手企業でも、リユース品に着目した取り組みがおこなわれています。

洋服・雑貨・食品・家具などを販売する無印良品(MUJI)では、2010年に「Re MUJI」をスタート。
この「Re MUJI」では、ご家庭で不要になった無印良品の洋服・タオル・シーツなどを店舗で回収し、アップサイクルした衣料品の販売・新たな商品の原料として再生をおこいます。

さる
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アップサイクルとは、製品の形状はそのままに手を加えてアップグレードさせる取り組みです。

また、日本のファッション業界を築き上げているユニクロ(UNIQLO)も、リユース・リサイクルの取り組み「RE:UNIIQLO」を開始。

店頭に回収ボックスを設置して、不要になった自社の製品をニーズ別(季節、男女、サイズなど)に仕分け、世界の難民・避難民に届けています。

中古家具・中古家電のレンタルサービス

CDやDVDなどから始まったレンタルサービスですが、近年では中古家具・中古家電を取り扱う企業も増えています。

「貸し出し」の意味を持つレンタルですが、一見リユースとは関係ないと思われるかもしれません。
しかし世の中に借りる需要が増えることで「ムダな買い物を減らす」ことができ、結果的にごみ排出量の削減につながるんですね。

さる
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Amazonを見てると「おすすめ商品」や「一緒にどうですか」でポチる…。

「古家」もリノベーションして繰り替えし活用

年々、築年数の経過したアパート・マンション・古民家をリノベーションする動きも活発になってきました。リノベーション(Renovation)とは、簡単にいうと「手を加えてよくし、価値を高めること」です。

さる
さる

前述した、無印良品がおこなう「アップサイクル」に近い取り組みです。

老朽化が進んだ建物は、管理状態によって「床がカビだらけ」「天井から雨漏り」「壁がボロボロ」と、現状では住めないケースも多々あります。そんな古い物件に目をつけた仲介業者や個人が、建物の骨組みはそのままに、外装や内装などの設備を住居できるように改修します。

また、改善・改良の意味をもつ「リフォーム(reform)」という言葉もあります。
リフォームは模様替えから増改築まで広範囲を表すのに対し、リノベーションは「性能を向上させて新しい価値を生み出す」といった違いがあります。

リユースのメリット・デメリット

積極的なリユースへの参加が高まると、どのような「メリット」を得ることができ、また「デメリット」が発生するのでしょうか。

廃棄物またはCo2が軽減し、地球地球にもやさしい

リユースショップの需要・リユース品の普及が高まることで、製造過程・製造コスト・廃棄物の削減が期待できます。

たとえばパソコンやスマートフォンは、毎年、新製品を購入する方もいますし、洋服も毎シーズン買い換える方もいるでしょう。もちろん経済的にはプラスとなりますが、モノには製造過程や消費がつきものです。

少なからずモノの製造や消費には、地球温暖化につながる「二酸化炭素(Co2)」を発生させます。リユースを積極的におこなうことは、地球環境にもやさしい取り組みと言えるでしょう。

未来の子どもたちを守れる

Co2削減で地球温暖化の発足を遅らせることは、未来の子どもたちを守ることにもつながります。地球温暖化が進むと、環境や暮らしにさまざまな影響を及ぼすおそれがあるためです。

  • 食物の減退
    雨が降らない地域・台風・洪水が増加して、農作物を作るための畑や田んぼに影響をもたらす
  • 健康への影響
    気温が上昇すると、蚊の分布域が拡大して、マテリア・デング熱などの感染症が増える
  • 陸地の減退
    南極・北極・高山にある氷が溶けて海の水が上昇すれば、小さな島国などが丸ごと海に沈んでしまう恐れも。
さる
さる

森林に生息する動物たちも、安全に暮らせなくなってしまいますね。

もし”お子さんがいる家庭”であれば、今まで以上にリユースの取り組みを考えてみてくださいね。

社会貢献への意識向上

  • 余計なものを買わない
  • リユースショップやフリマアプリでつぎの需要につなげる
  • 壊れたもの直して、最後まで使い切る

これらは、個人でもできる社会貢献です。

たとえば購入する場合なら「今あるもので代用はできないか」、捨てる場合は「まだ必要とする人はいないか」あらためるのも一つですね。要らなくなったモノでも正しく断捨離をすれば、本当に必要なひとの手に届く仕組みになっています。

リユースのデメリット

メリットがあれば、当然デメリットも発生します。

デメリット:産業や経済成長が衰退する(生産量減少など)

将来的にリユースが盛んになることで、産業や経済成長が衰退する恐れもあります。
国民が中古品ばかり買うようになれば、メーカーによる生産量・消費量が減退するためです。

さる
さる

お気に入りのメーカーが、新製品発表の周期を遅らせる可能性も…

デメリット:物の管理コストが上がる(修理代金など)

リユース品を持つと、管理コストが上がることも考えられます。
たとえば家電の場合だと、品物によって修理代金のほうが高くついてしまいます。

あね
あね

古すぎるスマホに1万の修理代金を払うなら”リユース品を買った方が安い”わね…

このようなデメリットの可能性を視野にいれながら、バランスよくリユースと向き合うことが大切です。

リユースの類似語

リユースは3R・5Rの中のひとつに過ぎません。
ここでは3Rの残りふたつ、リサイクル・リデュースについて解説します。

リデュース

リデュースとは「できるだけごみの量を減らす」です。
リユースも同じく廃棄物を減らすことが目的ですが、リデュースでは製造過程からも含まれます。

消費者のわたしたちができることとしては、

  • 無駄なものを買わない・もらわない
  • ごみの発生が少ない食べ物や製品を選ぶ
  • 購入した食べ物や消耗品は、無駄なく使う
  • 食べ残しをしない(外食なら減らす・持ち帰る)
  • マイボトル・エコバッグの持参

などがあげられます。

さる
さる

エコバッグやマイボトルは、すでに取り入れている方も多いですよね。

リサイクル

リサイクルとは「使い終えたものを資源にもどし、製品を作る」ことです。
たとえばリサイクル率の高いペットボトルは、回収・潰す・粉砕されて、あらたな製品に。
ガラスや瓶なら、粉砕して不純物を取り除き、断熱材・土木材料などに生まれ変わります。

消費者のわたしたちができることとしては、

  • ゴミを正しく分別して捨てる
  • リサイクル製品を購入する
  • 使い捨てではなく、詰め替え商品を選ぶ
  • リサイクル家電はルールに従って処分する
  • エコマークのついた商品を進んで取り入れる

などがあげられます。

さる
さる

アルミ缶とスチール缶、一緒に捨てていませんか?

まとめ「リユースは社会に欠かせない取り組み」

SDGs17の目標の発表で「サステナビリティな社会」が求められる今、リユースは欠かせない取り組みとなってきました。著者はリユースショップを最大限活用していますが、まさか好きなことが社会貢献につながっているとは、正直、意識していませんでした。

これまで「リユースショップを活用したことがない」「リユースや3Rを意識をしたことがない」という方は、ぜひ普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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